現実からの逃避旅行記

現実逃避の物語。

ジムリーダーの日常 第2話「開業!ウスキネ探偵!」

 

「うみゃー…もうやだぁ…」
「ヨヅキさんも文句言ってないでやってくださいよ」
ワシオくんが新しい書類を持ってきました。
ジムのお仕事というのは、何もジム戦ばかりじゃありません。
町の問題を把握し、解決に努める。
そのためには沢山の書類に目を通し、ハンコをついたりつかなかったり。
所謂、デスクワークです。
「ツキミはいいなぁ…」
僕の足元で呑気な顔して日向ぼっこのツキミ。
『ツキミ』というのは僕の相棒であるブラッキーのニックネームです。
僕にはツキミのほかに9匹の手持ちポケモンがいます。
バンギラスの『ヨモギ
カラマネロの『クズコ』
バルジーナの『マルコ』
スカタンクの『ゼンザイ』
キリキザンの『ヘギオ』
ヤミラミ の『オハギ』
サメハダーの『シンゲン』
マニューラの『ダイフク』
ズルズキンの『キンチャク』
その他にも力を貸してくれるポケモンが沢山います。
と、ちょうどそのうちの一匹が飛んできました。
伝書ポッポならぬ伝書ヤミカラスの『アンコロ』くんです。
アンコロはこの町のヤミカラスを束ねるボスで、そんな彼らに郵便係を頼んでいるのですが…
「アンコロ、ご苦労様。お手紙かい?」
彼はいつも首元に手紙をしまいます。
これで落としたりしないところがすごい。
アンコロから手紙を受け取り、中を見ると…
「ワシオくん…町のピンチだ!ツキミ、行くよ!」
ツキミは突然呼ばれて「何事!?」という顔をしています。
しかし、そんなの御構い無し。
「あ、ちょっと!ヨヅキさん!逃げるなぁぁぁああ!」
町のピンチを救うことこそジムリーダーの仕事です!

 

OP「絵画教室」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

さて、手紙にはこう書いてありました。
[緊急]
フレンドリーショップにて突如商品が消えるという怪奇事件が発生。
至急来られたし。
と、言うわけでフレンドリーショップ前。
こう言う類の問題はとにかく聞き込みです。
「こんにちはー」
恐る恐る店内へ。
すると…
「おぉぉ、お待ちしておりましたぁぁああ」
店の奥から店長さんが物凄い勢いで出てきます。
「こちらで商品が突然消える怪奇現象が起こったという知らせを…」
「そおぉぉぉおおなんです!」
おお、濃いな…この人…
「えっと、とりあえず状況から説明していただいて構いませんか?」
「そぉぉおおお!状ぉぉお況ぉぉおお!」
あー、
店長さんの言うことには、新規で入荷した高級ポケモンフーズが突如在庫から無くなっていたと言うことでした。
しかし、問題なのは
在庫を管理している倉庫には鍵がかかっていて人が入れる隙間もポケモンが入る隙間もないということ。
「なるほど、ちなみに警察には報告しましたか?」
「交番には行ったが『監視カメラを置いて様子を見てみましょう』としか帰ってこなかった」
あ、店長の喋り方は面倒だったので翻訳済みにしてます。
「ほうほう…では次に現場を見せてもらっても構いませんか?」
店長さんは終始不安定な感じで僕らを現場へと案内してくださいました。
いや、良い方なんですよ?めんどくさいだけで。
本当に店を思う良い方なんですよ?とてもめんどくさいだけで。
「ここですか…」
現場の倉庫には疑わしき点は何一つありません。
というより整備され尽くした倉庫で、倉庫独特の匂いもなく初めて入る僕ですらどこに何があるのか一発でわかってしまうほどでした。
「消えた痕跡すらない、か…ツキミ、どう思う?」
ツキミも捜査に協力してくれています。
倉庫内の隅々をポケモンならではの感覚を駆使して調べていきます。
調べ始めて数分。
ツキミは僅かな痕跡を察知しました。
それは壁に空いた極々小さな穴。その周辺にある流動体が通ったかのような少しの湿り気。
そして、天井を見るツキミ。
「そうか!」
「な、ななな何かわかったんですかあああああ?」
あ、やっぱりめんどくさいなこの人。
「ええ、犯人はわかりました。あとはあなたの判断に委ねます」
僕は事の顛末を店長に伝え、フレンドリーショップを後にしました。
続く…

「で?どうなったんですか?」
コトメちゃんがお茶を運んできてくれました。
「ああ、結局ねー」
後日、フレンドリーショップでは改装工事が行われました。
“ちいさくなる”を使ったベトベターが中に入って商品を食べてしまわないように倉庫の穴という穴を塞いぎ、その代わりベトベターのために廃棄場が作られ今は仲良くやっているそうです。
「とまあ、平和に解決されたよ」
いやあ、良いことをすると気持ちがいいものですね。
「ヨヅキさん…」
ワシオくんが物凄い形相でこちらに近づいてきます。
「フレンドリーショップの件で近隣住民から悪臭の苦情報告が殺到しているんですけど…」
なんと、店長の采配がベトベターの群れを呼んでしまい、その中の数匹が悪臭を漂わせているのだそうです。
「あー、えっと…でも、店長に懐けば悪臭は…」
「フレンドリーショップの悪臭を止めてきてください!!」
「は、はいー!」
ツキミが「やれやれ」と言う顔をしています。
小さな問題、大きな問題、
何かお困りの際はジムリーダーに御任せを!

 

ED「メランコリニスタ」
YUKI