現実からの逃避旅行記

現実逃避の物語。

第1話「町のジムリーダー」

どうも。初めまして!ヨヅキです!

インヨウ地方でジムリーダーをやってます!
え、インヨウ地方が何処かって?
インヨウ地方っていうのは、ポケモン協会の本部から北へ南へ西東。世界地図の隅っこの方にある小さな地方でございます。
そんな小さな地方の中にある小さな町。
ウスキネタウン。
ここが僕の住む町。
さてはて、ジムリーダーとはなんぞや!?ということに関してですが。
ジムリーダーとは、各地方の「ポケモン協会」から選出あるいは任命され、各地方にあるジムでポケモントレーナーさん達の実力向上のお手伝いをする人たちのことです。
有名な人としては、カントー地方のグリーンさんやホウエン地方のセンリさん、シンオウ地方のデンジさんあたりでしょうか?
そして、多くのジムリーダーはそれぞれエキスパートタイプを持っています。
先にあげたセンリさんはノーマルタイプ。デンジさんはでんきタイプ。グリーンさんはマルチに使用しますが…
ちなみに僕のエキスパートタイプは「あくタイプ」。
これ、結構珍しいことなんですね。
大きな地方には一人もいないそうです。
まあ、説明はこれくらいでいいかな?
それでは、「ジムリーダーの日常」始まりです。

 

OP「絵画教室」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

ジムリーダーの朝のお仕事、それはジムの前の掃き掃除。
町の顔とも言うべきジム前は、いつもきちっと掃除をします。
「ふぁぁあ」
しかし、早朝の空というのは清々しいほどに碧く、こんなにも碧いと箒を動かす手も止まってしまいます。
「あら、ヨヅキちゃん!今日も早いのね」
通りがかったおばあさんが声をかけてくれました。
町の人々とコミュニケーションをとる。これもジムリーダーの立派なお仕事です。
「あ、イナリのばっちゃん。おはようございます。朝からジョギングなんて精が出ますね」
「何言ってんだい!年齢に負けたくないババアの醜い足掻きだよ」
イナリのばっちゃんは、ウスキネタウンのお母さんの様な人で町の人からも慕われている近所のおばあさんです。
「ところで、最近はどうなんだい?」
「ん?まあ、いつも通り平和ですよ。この町は」
「そんな事じゃないよ!バカだね!いい歳したジムリーダーが浮いた話の一つや二つもないなんて本当に呆れるよ」
「は、はあ…」
イナリのばっちゃんは浮いた話が大好きです。
この町はインヨウの中でも小さい町、年頃のトレーナーは家を出て旅をしていたりするので僕のような青年期のトレーナーは格好の的なのです。
「そうだ!あたしの友達のお孫さんがちょうどあんたくらいの歳なのよ!」
「いや、僕はそういうの結構ですので…」
「んもぉ、情けない!ほら!手が止まってるわよ!次は写真持ってきてあげるからね!」
そう言って走り去る彼女は、まるで嵐の様です。
なんて思っていると
「おう!ジムの兄ちゃん!」
「あ、トキマサの大将」
トキマサの大将は僕もよく行くご飯屋さんの大将さんです。
ちょうど仕入れの帰りのようで、カイリキーが大きな段ボールを4つ持っています。
「最近どうだい?」
「あいも変わらず平和ですよ」
「そうかいうかい。そりゃいいこったな。時に兄ちゃん、今月はジムリーダー集会だろ?」
ジムリーダーには月に一度町の近況を報告し合うジムリーダー集会という集まりがあります。
「そうですね。それがどうかしましたか?」
「いや、その…マヒルちゃんの…」
「マヒルちゃんって、あのホコドメシティのジムリーダーですか?」
「そうだよ!あのマヒルちゃんだよ!」
ヒルというのは、ぼくの同期ジムリーダーでかくとうタイプのエキスパートです。
「できればでいいんだ!兄ちゃん!マヒルちゃんのサインを…」
服を掴みながら懇願されると断りにくいことこの上ないですよね。
「ま…まあ、一応聞いてみます」
「ほんとか!?ありがとよ!いやぁ、いやな!倅がな!どうしても欲しいってんだよ!」
この人はなんて純粋なんだろう。
そんな感心をしていると大将の後にいたカイリキーが突然逃走。
「お、おい!どこ行くんだ!」
しかし、その理由はすぐにわかりました。
「でも、あんた。そんなものどこに隠すってのよ?」
「そりゃおめぇ、俺様のお気にいりコーナー…に…」
大将も気づいたようで、恐る恐る振り返ります
「か…母ちゃん!?」
「あんたには私がいるでしょ!!」
いつからいたのか、女将さんブチ切れてます。
アニメで言うとぼくの目の前は灰色のもくもくが出来てて、たまに大将と奥さんの顔や手が見え隠れしている様な感じです。
こりゃぁカイリキーも逃げ出します。
「ほんとごめんねぇ、うちのがだらしないお願いしちゃって」
一通り悶着が治ると女将さんはいつもの優しい女将さんに戻りました。
トボトボ歩く大将がさっきより小さく見えるのは、きっと遠のいて行ってるからだと信じてます。
「いえいえ。そうやって慕ってくれる人が居るというのは同期として嬉しい限りですから」
「そうかい?ありがとね。ところでヨヅキちゃん。この前頼んでたアサヒ様のサイン、よろしくね」
アサヒというのはサイヒシティのジムリーダー。『恍惚の王子』とも呼ばれるエスパータイプのエキスパート。
こちらもまた僕の同期です。
「はい…一応言っときます」
「じゃ、よろしくね!」
なんとも素敵な笑顔で走っていく女将さん。
この町は今日も平和です。

さて、朝の掃除が終わるとジムも少しずつ動き始めます。
「ヨヅキさん!おはようございます!」
「ワシオくん。おはよう」
「おはようございます。ヨヅキさん」
「コトメちゃん。おはよう」
ワシオくんとコトメちゃんはこのジムのジムトレーナーさんです。
ジムトレーナーというのはジムの運営をお手伝いしてくれている一般トレーナーさん達のことです。
一般トレーナーといっても、各ジムリーダーの認めたトレーナーさんですから、みんな相当な実力者です。
「ヨヅキさん、早速挑戦者が来てますよ」
さっきも言ったように僕らジムリーダーの仕事はポケモントレーナーさんたちの実力向上のお手伝い。
一般トレーナーの人たちは「挑戦者」として「ジムリーダー」にバトルを申し込み、そのバトルの内容によってジムリーダーから「ジムバッジ」を貰い受けることができるのです。
「た、たのもー!!」
その声を聞いて僕の相棒のブラッキーが勢いよく走って来ました。
やる気満々の証です。
「よろしくね。さて、今バッジは幾つ持ってるのかな?」
「ふ、2つ!」
「なら、僕は3体で相手をするね」
「お、おす!」
緊張感が初々しい挑戦者さん。
この人たちの成長の糧になるお仕事。
それがジムリーダー。
「それじゃ、バトルスタートだ!!」

 

ED「メランコリニスタ」
YUKI