現実からの逃避旅行

何とも言えません。現実逃避の二次創作です。

古今東西泡沫夜行 1話

さて、今宵のお話は淡く切ない恋の物語。
遠く昔、まだ物の怪が人の前に姿を見せた時代。
“夜叉兎”と言う名の物の怪がおりました。
兎の頭を持ち、狼の身体、全身を「夜の空」のように青黒い毛が覆い、月のような瞳はまるで「闇に誘う水先案内人」を思わせ人間に忌み嫌われておりました。
彼には、一つだけ悩みがありました。
それは「とあるお城に住むお姫様に恋をしてしまっていた」事。
彼は、来る日も来る日も城の陰からお姫様を眺めていました。
そんなある日、彼がいつものように城を眺めていると1人の陰陽師が現れました。
「そなたは何を想ふておる?」
その陰陽師の質問に戸惑いながら
「できる事なら、人間になって彼女と話をしてみたい。もう少し近くで、彼女の笑顔を見てみたい」
「よかろう。次の満月までそなたを人間の姿に変えてやる。しかしその代償として、そなたの妖力を半分貰い受ける。つまりそなたは今後“半妖”として生きねばならぬ」
「構わん。願いが叶うなら半妖にでもなんでも堕ちてやる」
物の怪の言葉を聞いた陰陽師は一息付くと着物の袖から石のついた首輪を取り出しました。
そしてそれを物の怪に付けると、うさぎの姿からみるみる人間の姿に変わります。
人間の姿を手に入れた物の怪は陰陽師にお礼を言いました。
「この恩は忘れない」
「良き時間になるとよいな」
陰陽師はそう言うとその場を去りました。
去り際に光った勾玉が妙に印象的で、物の怪はその陰陽師を覚えておくことにしました。
人間の姿を手に入れた夜月は早速お姫様のもとを訪れます。
「姫君よ。私は一十木の猶予を貰い受け、この命を姫君に捧げに参りました。どうぞこれより私めをお使いください」
お姫様は優しく微笑みかけ
「わかりました。そなたを使いとして迎えます。ただし、そなたはそなたです。私のための命ではありません。それを肝に命じてください」
「仰せのままに」
こうして、夜叉兎はお姫様の使いの者として暮らし始めました。
幸せな日々が去るのはとても早く、約束の日が来てしまいました。
「姫様、私はあなたに伝えなければならないことがございます」
「あら、なんでしょう?」
「私は醜い妖怪です。私はある日、とある陰陽師と契約を交わしました」
日が沈み、満月が天に昇るとみるみる夜叉兎の姿に戻ってしまいます。
「人間の姿を手に入れるかわりに、私の妖力の半分をその陰陽師に捧げる。それ故、今の私は人でも妖怪でもありません。私は本当はあなたのお側に使えるべきでは無い者です。今までお世話になりました」
そう言って夜叉兎は足早にその場を去りました。
お姫様の気持ちを聞くこともなく。
城から出た所で、例の陰陽師に出会いました。
「願いは叶えられたか?」
「ええ。十二分に」
「それはよかった」
「ただ、」
「なんだ?」
「姫には悪いことをした。罪悪感というのか?人を襲っていた頃には無い感覚だ。もし許されるならもう一度だけ力を貸してはくれまいか?」
「叶えてやれるかはわからんが、話してみたまえ」
「姫の中から、私の存在を消してほしい。あのお方の中に汚れた者の記憶など不似合いだ」
「そのくらいなら叶えてやろう」
そう言って陰陽師は城へ入って行きました。
夜叉兎は陰陽師を見送ると森へ帰りました。
そして、運命の歯車は回り始めます。
物の怪と人間の戦争が始まったのです。
戦争は日を追うごとに激しさを増し、その犠牲者は後を絶ちませんでした。
その最中、ある噂を耳にします。
“とある国のお姫様を暗殺する”
夜叉兎は走りました。
想いを寄せた姫君を守るために。
城へ着くとそこは火の海と化していました。
必死に姫の元へ駆けつけます。
「そなたは、何者ですか?」
姫は彼を覚えていません。
「醜い半妖です」
「私を殺しに来たのですね」
その時、遠くから一本の刀が飛んで来ました。
夜叉兎は姫を庇い、刀を一身に受けました。
横たわる彼の周りにはいつか陰陽師に貰った石が散らばっていました。
「なぜ…」
「これでいいのです」
「肝に銘じろと言ったはずです…そなたはそなた。私のための命ではないと、」
夜叉兎は目を丸くしました。
忘れているはずの約束。
覚えていないはずの姿。
「そなたを知っています。いつも城の陰からこちらを伺っていた。私に使えて支えてくれた」
「姫様…」
その時、もう一本の刀が飛んで来ます。
姫は目を瞑り死を覚悟しました。
しかし、いつまでたっても刀は自分を貫きません。
目を開けると、そこには人の姿をした夜叉兎が立っていました。
「姫様。私はあなたをずっと愛しておりました」
刀は夜月の心臓を貫き、夜月は気持ちを伝えると同時に息を引き取りました。
姫は泣きました。
そこへ例の陰陽師が現れます。
「哀れな男の最後の願いです」
陰陽師はそう言うと姫の背中をそっと叩きました。
姫の中から夜叉兎との思い出を取り出したのです。
そして
物の怪の心臓を貫いた刀に、姫の思い出とその亡骸を封印してしまいました。

 

OP「自閉探索」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

「で?これがその刀なわけ?」
あまりにも単純な疑問で、あまりにも馬鹿らしい質問であることは重々承知だが、聞かずにはいられなかった。
「そのとおり!!これこそがその伝説の妖刀!!!名を“太陰”!!!」
祖父は今世紀最大のドヤ顔でそう言ったが、にわかには信じがたい。
「で、どうやって手に入れたの?」
「聞きたいか?聞きたいだろう!わしとこの刀はな…運命で結ばれておるんじゃ」
祖父は感慨深そうに泣いている。
が、微妙に腹が立つ。
「まあ、あんまり興味ないからいいけど」
「え?あ、ちょっと!源太!?聞かんの?聞いて行かんのかー!?」
大凡は見当がつく。
どうせ、離れの小屋を解体してる時にでも出て来たんだろう。
“妖刀”、僕の日常には不似合いで不必要な代物だ。
いくらファンタジックなゲームをしたって、そんな夢を見たって目線を少しずらしてしまえばそこには現実しかない。
夢なんて描くだけ無駄だ。
「あれ?源太くん。なんか浮かない顔だね」
玄関先で声をかけられた。
「ああ、かおりちゃん。別に浮かない訳じゃないよ。いつも通りなだけ」
かおりちゃんは近所に住む幼馴染の女の子で、容姿端麗才色兼備と誰が見ても魅力的なスペックを持ち合わせている。
こんな子が近所に住んでいることすら僕には不似合いだ。
「あ、これ。お母さんがおじさんにって」
かおりちゃんのお母さんは、母親のいない我が家を気遣ってくれる。
「ありがと」
「じゃ、また学校でね!」
あぁ…なんで僕は幼馴染として生まれて来てしまったんだ…
幼馴染で生まれて来なければ、もっとかっこいい言葉を投げかけて、弱いところも恥ずかしいことも隠して彼女と関われただろうに…
「なーに見とれてんだスケベ」
「は!?見とれて…親父か」
「なんだ!?実の父親に向かってその態度は!いやぁ、かおりちゃんは見る度に大人になるなぁ…誰かさんと違って」
「関係ないだろ!?」
「で、それは?」
「ああ、かおりちゃんのお母さんから。多分かぼちゃの煮付け」
「まだ気遣わせちまってるのか…ま、今日の晩飯はそれで決定だな」
僕の親父は料理がド下手だ。
それはそれは近所迷惑になるレベルで下手くそだ。
家事はできない。収入は少ない。加齢臭がする。
唯一尊敬できるのは、未だに亡くなった母への想いを絶やさないところだ。
「ほら、中は入れ」
「はい…」
陽が落ちて、夜になり、我が家は黙々と晩御飯です。
「源太」
「はい」
親父は醤油。
「ありがと」
「源太」
「はい」
祖父はマヨネーズ。
「ありがとう」
「源太」
「はい」
親父の2回目は
「いや…七味をとって欲しかったわけではない…」
「あ、ごめんじゃあ何が欲しかったの?」
「いや、何かをとって欲しかったわけでもない」
「え、なに?」
「なんだその、最近学校はどうだ?」
「え、なに。普通だけど」
親父がおかしい。
「そうか…かおりちゃんとはどうだ?仲良くやってるか?」
「え?昼間見たじゃん。普通だよ」
「そ、そうだな…」
親父の様子がすこぶるおかしい。
「なに?はっきり言ってよ」
「かおりちゃん、彼氏いるのか?」
「いや、知らないけど…いるんじゃない?」
「なんじゃ源太!あからさまにテンション下がったの!」
「うるさいな!べつに下がってないよ!てか、親父も突然なんだよ!」
「いや、男に囲まれてどっか行ってたから彼氏とその友達なのかな?って」
「…僕に聞いても仕方ないだろ!!」
食卓が静まり返った。
「ごちそうさま!」
居た堪れない。
「ありゃ恋じゃな」
「恋ですね…」
くそっ…くそっ…
どっかで夢みてた。どこかで期待してた。
高校2年になっても恋人を作らないかおりちゃんに。
実は僕の事を…なんて…
結局目の前にあるのは現実だ。
夢なんて描くだけ無駄だ。
なのに僕は…
『きゃー!!!!!!!!!』
外から悲鳴が聞こえた。
その瞬間体が反応した。
気付いた時には走り出していた。
「おい、源太!?どうした!?そn…」
親父は無視だ。
家を飛び出し、まっすぐ。
公園を曲がって商店街の路地裏。
見つけた。
3人の男に囲まれたかおりちゃん。
多分親父が見たって奴ら。
クラスの男子。
「かおりちゃん!」
「源太くん…」
服を脱がされかけてる…
「あれ?夜月じゃん。なに?お前も入れて欲しいの?」
「お前らぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
ドスッ
殴りかかったと同時にみぞおちに激痛が走った。
「なにカッコつけてんの?」
ゴスッ
「さっさとやれよ。こっちは抑えといてやるから。次俺だかんな」
「お、サンキュー」
くそっ…意識が朦朧とする。
されるがままだ…
何で僕は弱いんだ…
なんなんだよ…
結局カッコ悪いじゃないか…
結局助けられないじゃないか…
こんな事なら来なきゃよかった…
『本気で言っておるのか?』
え?
『本気でそう思っておるのか』
だれ?
『なら、なぜ私を持ち出した』
は?
あれ?爺ちゃんの刀…?
『貴様はなんのためにここへ来た』
僕は…かおりちゃんを助けるために…
『その想い、遂げられるか?』
遂げられる…?わからない。でも、僕は…かおりちゃんを…助けるんだ!!!
『なら、しばし力を貸そう。復唱しろ。そして、刀を抜け“負を悟りて正を知る”』
「負を悟りて正を知る」
「は?なに言ってんの?」
『“正を知りて負を悟る”』
「正を知りて負を悟る」
「おい、こいつおかしくなりやがった。気持ち悪りぃ!」
『“目覚め給え”』
「目覚め給え!“太陰”!!」
刀を抜いたその瞬間、時間が止まったような感覚に陥った。
何かが自分の周りを纏わり付いているような、うちから力が漲るような。
「なんだ?気持ち悪りぃんだよ!!」
来る。
相手が見える。
ドスッ
「オェッ…」
「章ちゃん!」
「なんだよお前…」
1人目。
「刃物なんて卑怯だぞ!」
『お前らの方がよっぽど卑怯だろ』
「オラァァァァァアアアア!!!」
右から。
「調子こいてんじゃねぇよ!!!」
左。
『安心しろよ。刃は使わねぇから』
「んだとオラァァァァァアアアア!?」
ガスッ
「洋二!!!クッソ!!!!!!」
ゴスッ
『人の風上にも置けねぇな』
クラッ
あれ?
目の前が…
その後のことは覚えていない。
気がついた時には部屋のベッドに寝転がっていた。
目の前にかおりちゃんがいて、なぜか泣いていた。
僕は助けられたのだろうか?
よくわからないまま、もう一度眠りにつく。
きっと夢でも見ているのだろう。

ビルの屋上。
怪しい影。
「例の“夜叉兎”が目を覚ましたようですね」
「ああ。然るべき対処を施さねば。所持している少年も危険にさらされることになる。こちらも準備を進めるぞ」
「仰せのままに」

僕らの運命が回り始めた。

 

ED「ふっかつのじゅもん
sumika

ジムリーダーの日常 第3話

シズナ「よくやるなぁ…ね?チロル(シズナのチョロネコ)」
チロル「ウィャー」
ジムでは今、キョウスケくん考案のハッスル修行を行なっています。
キョウスケ「はい!いっち!にー!いっち!にー!」
ヨヅキ「いっち!にー!いっち!にー!」
ダンゴ達も一生懸命ハッスルします。
ちなみにキョウスケくんのマトマ(ワルビアル)はとてつもなくキレキレです。
キョウスケ「ほら!ダンゴ!ヨヅキさん!もっとマトマのように!!いっち!にー!いっち!にー!」
ヨヅキ「いっち、にー、いっ…あ!シズナちゃん!シズナちゃんも一緒にやらないー?」
シズナ「私は遠慮しときまーす!」
ヨヅキ「だよね…」
シズナちゃんはハッスル修行をしたことがありません。
前に、何故やらないか聞いてみたのですが「あんなクソダサい振り付けのエクササイズをすると親が泣く」のだそうです…
キョウスケ「はい!いっち!にー!いっち!にー!」

 

OP「絵画教室」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

ジムリーダーの中には、その合間を縫って副業をしている人たちもいます。
実は、ぼくもその一人。
ぼくはウスキネジムの裏にある神社で神主さんをやっています。
シズナ「あ、ヨヅキさん。あの変態へクササイズはもういいんですか?」
ヨヅキ「変態って…今日のところは一旦終了かな」
シズナ「そうですか。じゃあ、私はジムに戻ります」
ヨヅキ「ありがとね。こっちまで手伝ってもらっちゃって」
シズナ「いえいえ。私が好きで手伝ってるだけですから」
ヨヅキ「そう言ってもらえると本当に助かるよ」
シズナちゃんは神社の仕事も手伝ってくれています。
最近はシズナちゃんの巫女姿目当てでくるお客さんもちらほら…
ヨヅキ「さ、ダンゴ。掃除始めようか」
神社でのはじめの仕事はお掃除です。
というより、掃除が終わって仕舞えばほとんど仕事がありません。
この神社は普通の神社と違って悪魔を祀っています。
だからお客さんもほとんど来ないし、神を祀った神社さんとは交流がありません。
ヨヅキ「ん?」
アンコロが飛んできました。
アンコロをはじめとするぼくの手持ちポケモン達は、ダンゴを除いてジムでお留守番をしています。
そのはずのアンコロが飛んできたということは…
ヨヅキ「町でなんかあったか…」
ーヨヅキさんへー
フレンドリィショップからです。

ここ数日で、在庫にあるはずの食料がことごとく盗まれています。
警察に通報したのですが、現場の状況から人為的犯行ではないとのことでした。
このようなことが続くと業務に支障が出てしまいます。
お願いです。
食料盗人の調査をしてください

ーフレンドリィショップ 店長ー
ヨヅキ「ダンゴ、仕事だ。ウスキネ探偵開業だ!!」

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ぼく達は町に戻るとフレンドリィショップを訪れました。
ヨヅキ「ここが現場ですか」
店長「そうなんですよ!!ヨヅキさん!!」
おぉ…暑いな…
ヨヅキ「先ず…盗まれたものですが…」
店長「食料っす!!」
ヨヅキ「えっと…はい。そのもう少し具体的に…」
店長「肉!!」
ヨヅキ「肉ですか!?」
店長「ではないもの全般です!!」
ヨヅキ「あ、はい。違うんですね…」
店長「主にきのみですね」
初めからそう言って欲しかった…
ヨヅキ「なるほど…きのみ全般ですか….」
店長「あと、ポケモンフーズっす!!」
ヨヅキ「ほう…」
店長から説明されたのはこうでした。
・最近仕入れたはずのきのみやポケモンフーズがなくなっている。
・それらは店の在庫置きに入れているため人が入ると店員が気づく
・在庫管理の段ボールの数が合わないことで気がついた。
・段ボールごとなくなっている
ヨヅキ「段ボールごと持っていかれたか…もしくは….」
店長「でも、段ボールごと持って行ったならどうしても扉を開けないと…」
ヨヅキ「確かに…あれ?店長さん。あの天窓は?」
店長「ああ、最近異様な匂いがすることが増えたので換気のために」
ヨヅキ「謎は解けた!!」
店長「え!?早くない!?」
ヨヅキ「フフフッ。ウスキネ探偵のヨヅキに解けない謎はないのです!」
店長「おお!」
ヨヅキ「とりあえず、今日はポケモンフーズをここに置いて店を閉めてください。そのうち姿をあらわすはずです」
夜になりました。
ぼくことウスキネ探偵のヨヅキは張り込み中です。
すると、犯人が顔を出します。
ヨヅキ「アンコロ頼んだ」
アンコロの“くろいまなざし”
ヨヅキ「段ボールごと、また段ボールの中のビニールごと消化できて、その時に悪臭を発生させる。“とける”を使って狭い隙間を潜り抜けられるポケモンは君しかいない」
次の日。
ヨヅキ「はい。店長。この子が犯人です」
店長「なに!?ポケモン!?!?!?!?」
いや、人が犯人じゃないってのにポケモン以外誰がいるんだ…
店長「って、言いたかったんですが…実は昨日、家で監視カメラ見てたらゴクリンが映ってたのでそんな気がしてました」
・・・

 

 

ヨヅキ「はぁ…なんの達成感もない…」
キョウスケ「はい!いっち!にー!いっち!にー!」
シズナ「結局監視カメラに映ってたんですもんね」
ヨヅキ「もうちょっとしっかり確認してから言ってよー。超ノリノリで謎解きしたよぉ…」
シズナ「ま、そんな些細なことでもジムを頼ってくれるのは信頼されてる証ですよ」
ヨヅキ「まあ…そうなんだけどね…」
町の問題。
小さかろうが大きかろうが解決に向け全力を尽くす。
これも町を任されたジムリーダーのお仕事です。
キョウスケ「ヨヅキさん!!シズナ!!二人も動く!!ほら!いっち!にー!いっち!にー!」
シズナ「わたし、神社行ってきますね」
ヨヅキ「あ!ずるい!!」
キョウスケ「逃がしませんよ!!いっち!にー!いっち!にー!」


何かお困りの時は、ジムリーダーにお任せを!!


キョウスケ「はい!いっち!にー!いっち!にー!」

 

ED「メランコリニスタ」
YUKI

ジムリーダーの日常 第2話

OP「絵画教室」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

挑戦者「ピジョン!“かぜおこし”!!」
ヨヅキ「アンコロ(ヤミカラス)!“ブレイブバード”!!」
こんにちは。
ぼくは今、ジム戦真っ最中です。
キョウスケ「ピジョン戦闘不能!」
キョウスケくんは審判をしてくれています。
挑戦者「戻れ!ピジョン!」
ヨヅキ「さあ、次はどう出る?」
挑戦者「こいつで最後だ!オコリザル!!」
ヨヅキ「かくとうタイプか…アンコロ!もう一度“ブレイブバード”!!」
ジムバトルというのは楽しいものです。
予めジムのエキスパートタイプを予習し、それに対して対策する。
相手の作戦を少しずつ紐解いてそれをさせないように立ち回る僕らに対して、お相手さんはどう反応するのか。
バトルの中、とんでもないスピードで成長していくトレーナーさんや、手慣れた実力者。
そんなトレーナーさん達に僕らもまた学ばせてもらうことが多いです。
挑戦者「もう少し…」
このトレーナーさんもまた敵に立ち向かおうとする勇気を教えてくれます。
ヨヅキ「ん?」
挑戦者「そこだ!“カウンター”!!!」
ヨヅキ「なっ!?」
キョウスケ「ヤミカラス!戦闘不能!」
挑戦者「やった!!」
ヨヅキ「…“きあいのタスキ”か。うまく持ち物を使ったね!だけど…」
さて、ここでぼくのパートナー。ダンゴの登場です。
ヨヅキ「あくタイプのジムに対しかくとうタイプを使う。ヤミカラス系統のようなひこうタイプが混じっていることを考慮しての“きあいのタスキ”。よく考えられてるよ。でも、それを使うには…ちょっとばかし早かったね」
挑戦者「まだだ!いくよ!“きしかいせい”!」
ヨヅキ「なるほど。でも、これをするには…ちょっと遅かったかな」
ダンゴのスピードがどんどん上がります。
挑戦者「なに!?」
ヨヅキ「勝負ありだ」
でんこうせっか
キョウスケ「オコリザル戦闘不能!よってジムリーダーヨヅキの勝ち!」

 

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挑戦者「ありがとうございました!今回の戦いを糧に頑張ります!」
ヨヅキ「うん!狙いは悪くないから、今度は仕掛けるタイミングもしっかりと見極めて。そうすれば次のジムではいい結果が出るはずだ!」
挑戦者「はい!ありがとうございます!では!」
ヨヅキ「うん。またいつでもおいで!」
今回の挑戦者さんはトレーナー歴がまだ3ヶ月ということでまだまだ初々しいところが多かったですが、この先乗り越えるべき壁を越えて、走っていくその背中がだんだんと大きくなることだと思います。
そんな彼らの一歩に関われるジムリーダーはやっぱり、ものすごくやりがいのあるお仕事です。
シズナ「ところでヨヅキさん。彼にバッジ渡してよかったんですか?」
キョウスケ「いくら筋の良い戦いだったと言っても、3匹目を引き出せていない事実。3ヶ月という短期間で3つもバッジ持たせてしまうのは…」
ヨヅキ「大丈夫だよ。彼が向かった道に続いてるのはテンブの街だ。あいつは厳しいからきっと4つ目のバッジはそうそう渡して貰えない。トレーナーの壁になることも必要だけど、トレーナーを認めてあげることもジムリーダーの仕事だ」
シズナ「そうですね」
ヨヅキ「それに、今はまだ突っ走っていける力がある。課題を出すのは、彼が立ち止まってしまった時でも遅くないよ」
キョウスケ「ほんと、甘ったるいったらありゃしない」
シズナ「でも、この優しさに救われた人がこの町に山ほど居るわ。私たちも」
キョウスケ「ケッ。わかってるよ」
ヨヅキ「あの…それって本人のいないところでする会話じゃないの?…」
シズナ「さ、午後も張り切って行きましょうね!」
キョウスケ「よし!みんなで修行だ!!」
ヨヅキ「ちょっと、君たち!?」
ウスキネジムは、いつでもトレーナーさんをお待ちしております!

 

ED「メランコリニスタ」
YUKI

ジムリーダーの日常 第1話

どうも。初めまして!
ヨヅキです!インヨウ地方でジムリーダーをやってます!
え?インヨウ地方が何処?って?
インヨウ地方っていうのは、ポケモン協会の本部から北へ南へ西東。世界地図の隅っこにある小さな島国でございます。
そんな小さなインヨウ地方にある小さな町。

ウスキネタウン。

ここが僕の住む町。
そうそう、ジムリーダーとはなんぞや!?ということに関してですが。
ジムリーダーとは、各地方の「ポケモン協会」から選出あるいは任命され、地方の各地にあるジムでポケモントレーナーさんの実力向上のお手伝いをする人たちのことです。
有名な人としては、カントー地方のグリーンさん、ホウエン地方のセンリさん、シンオウ地方のデンジさんあたりでしょうか?
そして、多くのジムリーダーはそれぞれエキスパートタイプを持っています。
先にあげたセンリさんはノーマルタイプ。デンジさんはでんきタイプ。グリーンさんはマルチに使用しますが…
ちなみに僕のエキスパートタイプは「あくタイプ」。
これ、結構珍しいことなんですね。
大きな地方には一人もいないそうです。
まあ、説明はこれくらいでいいかな?
それでは、「ジムリーダーの日常」始まりです。

 

OP「絵画教室」
ASIAN KUNG-FU GENERATION

 

ジムリーダーの朝の仕事。
それはジムの前の掃き掃除。
ヨヅキ「ふぁぁあ」
早朝の空は、清々しいほどに碧いです。
こんなにも碧いと、箒を動かす手も止まってしまいます。
??「あら、ヨヅキさん!今日は早いのね」
ヨヅキ「あ、イナリのばっちゃん。おはようございます。朝からジョギングなんて精が出ますね」
イナリのばっちゃんは、ウスキネタウンのお母さんの様な人で町の人からも慕われている近所のおばさんです。
イナリ「ところで、最近はどうなんだい?」
ヨヅキ「ん?まあ、平和ですよ。この町は」
イナリ「そんな事じゃないよ!バカだね!いい歳したジムリーダーが浮いた話の一つや二つもないなんて本当に呆れるよ」
ヨヅキ「は、はあ…」
イナリのばっちゃんは浮いた話が大好きです。
イナリ「そうだ!あたしの友達のお孫さんがちょうどあんたくらいの歳なのよ!」
聞いてもないのに見合いの相手を探してきます。
ヨヅキ「いや、僕はそういうの結構ですので…」
イナリ「んもぉ、情けない!ほら!手が止まってるわよ!次は写真持ってきてあげるからね!」
そう言って走り去る彼女はまるで嵐の様です。
??「おう!ジムの兄ちゃん!」
ヨヅキ「あ、トキマサの大将」
トキマサの大将は僕もよく行くご飯屋さんの大将さんです。
トキマサ「最近どうだい?この町は」
ヨヅキ「あいも変わらず平和ですね」
トキマサ「そうかいそうかい。そりゃいいこったな。時に兄ちゃん、今週はジムリーダー集会だろ?」
ヨヅキ「そうですね。それがどうかしましたか?」
トキマサ「いや、その…テンブちゃんの…」
ヨヅキ「テンブって、あのホコドメシティのジムリーダーですか?」
トキマサ「そうだよ!あのテンブちゃんだよ!」
テンブというのは、ぼくの同期ジムリーダーでホコドメシティという大きな街を任されるかくとうタイプのエキスパートです。
トキマサ「できればでいいんだ!兄ちゃん!テンブちゃんのサインを…」
ヨヅキ「はあ…まあ、一応聞いてみます」
トキマサ「ほんとか!?ありがとよ!いやぁ、いやな!倅がな!どうしても欲しいってんだよ!」
??「でも、あんた。そんなものどこに隠すってのよ?」
トキマサ「そりゃおめぇ、俺様のお気にいりコーナー…に…か、母ちゃん!?」
奥さん「あんたには私がいるでしょ!!」
大将の奥さんがブチ切れてます。
今現在、アニメで言うとぼくの目の前は灰色のもくもくが出来てて、たまに大将と奥さんの顔や手が見え隠れしている様なそんな感じです。
奥さん「ほんとごめんねぇ、うちのがだらしないお願いしちゃって」
大将がさっきより小さく見えるのは、きっと遠のいて行ってるからだと信じてます。
ヨヅキ「いえいえ。そうやって慕ってくれる人が居るというのは同期として嬉しい限りですから」
奥さん「そうかい?ありがとね。ところでヨヅキちゃん。この前頼んでたカミフク様のサイン、よろしくね」
ヨヅキ「あ…はい…一応言っときます」
奥さん「じゃ、よろしくね!」
この町は今日も平和です。

 

さて、朝の掃除が終わるとジムも少しずつ動き始めます。
??「ヨヅキさん!おはようございます!」
ヨヅキ「キョウスケくん。おはよう」
??「ヨヅキさん。おはようございます」
ヨヅキ「シズナちゃん。おはよう」
ぼくのジムにはジムトレーナーが2人もいます。
キョウスケくんとシズナちゃんです。
シズナ「あ、おはようダンゴくん」
シズナちゃんが来たのを見計らって僕の相棒であるダンゴ(ブラッキー)が起きて来た様です。
シズナちゃんはポケモンのお世話が得意でこのジムにいるポケモン達はみんなシズナちゃんが大好きです。
ちなみに、キョウスケくんはトレーニングの才能に溢れているのですが…
ストイックすぎてキョウスケくんの手持ち以外にはあまり好かれていません。
ヨヅキ「ダンゴ。おはよう」
ダンゴは「おう」とでも言うかのように鳴くとシズナちゃんについて行きます。
ジムトレーナーというのはジムの運営をお手伝いしてくれている一般トレーナーさん達のことです。
一般トレーナーといっても、各ジムリーダーの認めたトレーナーさんですから、みんな相当な実力者です。
キョウスケ「ヨヅキさん、早速挑戦者が来てますよ」
さっきも言ったように僕らジムリーダーの仕事はポケモントレーナーの人たちの実力向上のお手伝い。
一般トレーナーの人たちは「挑戦者」として「ジムリーダー」にバトルを申し込み、そのバトルの内容によってジムリーダーから「ジムバッジ」を貰い受けることができるのです。
挑戦者「た、たのもー!!」
ダンゴが勢いよく走って来ました。
やる気満々の証です。
ヨヅキ「よろしくね。さて、今バッジは幾つ持ってるのかな?」
挑戦者「ふ、2つ!」
ヨヅキ「なら、僕はこの3体で相手をするね」
挑戦者「お、おす!」
ヨヅキ「そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。それじゃ、バトルスタートだ!!」

 

ED「メランコリニスタ」
YUKI

かんじょう 第1話始発

 

雨が降っていた。
女は、目の前でベッドに横たわる男にすがりつきながら泣いていた。
何かを叫んでいるようだが、彼女の叫び声は雨の中に消えてしまった。
それを見つめる医師は優しく女の肩に手を乗せる。
外はまだまだ雨がふり続きそうだった。

 

「運命」
という言葉は曖昧なものです。
よく、「運命はあなたの手の中にある」なんて言いますが、どれだけ見つめても開いた拳の中には何も入ってはいない。
「運命を掴み取る」と言っても掴めるものは物質的で、「運命を変える」と言っても元がわからないから話にならない。
人々の知るそれは、所詮結果論に過ぎない。
彼女もまた、その言葉に惑わされている一人です。
あーあ…交通事故。しかもベッドの男の信号無視が原因ですか

 

「どうして…あの時、こうしていれば…あの時に戻れたら…」
女は叫んだ。

 

彼女はそれを知らないようだ。
悲痛な叫びです。
しかし、ベッドで横たわる男は確実に死にます。
数分もすれば脳の全ての機能が停止するでしょう。
さて、そろそろ勘のいい方ならお気付きでしょう。
僕は、この物語の語り部さんではありません。どちらかというと登場人物かな?
僕の正体は「死神」です。
と言っても、鎌を持って命を剥ぎにかかるわけでも、某漫画のように刀を変形させる力を持ってるわけでもありません。
死神には二つの役職があって、それぞれ「案内」と「常駐派遣」といいます。
バイトみたいな名前ですが、そうではありません。
前者は、死んだ者の魂つまり、意識を天界に連れていく者。後者は区分された街に住み着いて人間の寿命を決める者。
ちなみに僕は、後者の方。
僕ら死神は名前のイメージとは裏腹にほとんど何もしません。
が、こんな可愛いお嬢さんの願いを素通りすることに痛む心は持ち合わせてしまっている。
なので、少しばかり力を貸してあげることにします。
「運命」というものがどういうものなのか、果たして変えられることのできるものなのか。
しばし時間旅行に出かけましょう。

 

パチンッ
と指を鳴らす音。
病室から医師が女が出て行き、救急隊がからの担架を持って入ってくる。男を担架に乗せてまた病室からさる。
女は走る。と思うと急に止まり電話をとっている。
少しずつ、しかし足早に時間が巻き戻されていく。
街の喧騒。女は奇妙な動きをする集団の前を通る。その時、床から何かが浮き上がり、女が携帯をしまうのと同時にカバンの中に入っていく。
パチンッ
と、また指を鳴らす音が聞こえる。
すると、今まで奇妙な動きをして居た集団が街のストリートダンサーの集団だったことに気がつく。時間が再生されたのだろう。
女がダンサーの前を通る。
携帯を取り出し、時間を確認する。
その時、女のカバンからハンカチがひらりと落ちる。
それに気付き拾うダンサーの一人。
「すみません!」
女は止まり、振り返る。
「これ、落としましたよ?」
「あ、ありがとうございます!」
何事もなかったかのように二人は各々の時間に戻っていった。
異常なのか正常なのか、世界は真っ直ぐ前に進み始めた。

詩方夜行〜あとがき〜

どうもどうもー。

改めまして主です。

 

2作目?なんか、ポエムっぽくなったけど気にしない気にしない。

前作のあとがきでポケモン書きたいって言ってたんですが、バトルの描写に詰まってて…

僕自身があくタイプしか使わないのでそれ以外の戦い方がわからんのです…

どなたかご教授を…(切実)

 

さてはて、「詩方夜行」ですが、

「詩方」とかいて「うたかた」と読んでください。

水面にフラフラと浮かび上がるような、パッと弾けて消えてしまうような。

そんなセンチメンタルを抱えた男が歩く夜のお話です。

何があるわけでもなく、何かなくなるわけでもない。

そんな夜はみんなあるんだろうなと思います。

とりあえず、歩く。

それが前でも後ろでも。

それでいいんだと思うんです。

彼(作中の僕)が歩いてる道が暗くても、その先にはきっと何かあるんだとおもいます。

先が光だろうと闇だろうと、歩くことに意味があるんじゃないかなって。

 

まあ、そんなおセンチな僕が書いたおセンチな作品です。

読んでくれた人に何かを受け取っていただけたなら僕はそれで構いません。

ま、これからも温かく見守ってくださいな。笑

詩方夜行

何度目だろう?この虚しい夜を迎えるのは。
何もない。
ただすれ違うだけの人たち。
ぼやけた街をただ眺めるだけの時間。
希望(ひかり)のない夜。
僕はその日、洗濯をしに街のコインランドリーに座っていた。
行き交う人々は異世界のそれを感じさせるほど個性的で、ただ眺めているだけで時間が過ぎた。
洗濯が終わると、洗ったものを乾燥機に入れ僕はラーメン屋に向かった。
特別美味しくはなかった。でも、期待よりは美味しかった。
ラーメン屋から戻りタバコを吸い終えた頃、ちょうど乾燥が終わった。
21:00
これから仕事だ。
ただ体を動かし続け、時間が過ぎるのをひたすらに待つ。
そんな仕事だ。
僕は、どこで間違ったんだろう?
小学生だった頃の僕には口が裂けても言えないような未来だ。
とりあえず、洗濯物をたたんでコインランドリーを出る。
ドンッと何かがぶつかった。
しかし、何事もなかったように世界は進む。
駅に向かい電車に乗る。なんてことない時間。何も起こらない日常。

かつてのバンド仲間は言った
「音楽やめるなんてもったいない」。
恩師が言った
「役者を続けなさい」。
かつての行きつけの居酒屋の大将が言った
「お前なら大丈夫だ」。
バイト先の先輩が言った
「道具向いてるよ」
亡くなった母が言った
「あなたなら、ひょっとするとひょっとするかもね」

そのどれもが、今の僕にはもったいない。
その言葉たちに見合う男になる為に僕は何をすればいい?
そんなことを考えながら夜道を進む。
この一歩一歩が。いつか希望(ひかり)で溢れる道に続くことを祈って。
僕は今日も前に進もうとするんだろう。